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【続編】NOI(営業純利益)とは何か?不動産投資における本当の収益力を見極める
前回のコラムでは、不動産投資における「NOI」について触れましたが、今回はその続編として、NOIとは何か、そしてなぜ重要なのかをより深掘りしていきたいと思います。
1.そもそもNOIとは?
NOIとは、「Net Operating Income(営業純利益)」の略で、不動産投資における実質的な収益力を示す指標です。
具体的には、以下のように算出されます。
NOI = 総潜在収入(満室時家賃)
- 空室損・未回収損
+ 雑収入
- 運営費(清掃費・共用電気水道代・各設備の点検費用・管理費・修繕積立金・固定資産税など)
さらに、NOIを不動産の取得価格で割ることで、NOI利回りを算出します。
NOI利回り = NOI ÷ 不動産取得価格
このNOI利回りこそが、その物件が実際にどれだけ収益を上げられるかを示す、よりリアルな投資判断材料なのです。
2.表面利回りとのギャップに注意
例えば、以下のような中古区分マンションがあったとします。
- 販売価格:1,500,000円
- 年間家賃収入:300,000円(月額25,000円)
- 表面利回り:20%(300,000円 ÷ 1,500,000円)
一見すると高利回りの優良物件に見えますが、実際の運営費を見てみると次の通りです。
- 年間運営費(管理費・修繕積立金・固定資産税等):252,000円(月額21,000円)
- 実際の年間収入:300,000円-252,000円=48,000円
- NOI利回り:48,000円 ÷ 1,500,000円=約3.2%
表面利回りは20%でも、NOI利回りはわずか3.2%と、大きな差があることが分かります。
これは、運営費が高くなりがちな区分マンションの典型的な例です。
3.なぜNOIが重要なのか?
不動産投資初心者の中には、表面利回りだけを見て物件を購入し、後になって「思ったより手残りが少ない」と感じる方も少なくありません。
実際には、運営費や空室リスクが収支に大きく影響するため、以下のような要因をしっかり考慮する必要があります。
- エリア特性(都市部か郊外か)
- 築年数
- 間取りや設備の状態
- 建物の構造・管理状況
- 入居率の推移や空室リスク
特に「空室損」は予測が難しく、エリアや物件の特性に大きく左右されます。
中心地であれば入居率は高い傾向にありますが、郊外や築古物件になると将来的なリスクが増すため、空室率が90%か80%かという違いだけでもNOIに大きく影響します。
4.まとめ:表面利回りではなく「NOI利回り」を見る
不動産投資を成功させるためには、表面的な利回りに惑わされず、NOI利回りという実質的な収益性をしっかり見極めることが重要です。
収支の「リアルな姿」を理解するためにも、必ずNOIを算出し、本当に収益が見込める物件なのかを慎重に判断していきましょう。
ご希望であれば、「NOIを高めるための施策」や「エリア別の空室リスク分析」などもご紹介できます。
ご興味があればお知らせください。
ライター:南 浩己 AM事業部 部長

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