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今後の金利上昇の影響は!!

投稿日:2026.08.17

「17日の債券市場では、長期金利が一時およそ30年ぶりの高い水準となる2.93%まで上昇しました。」のニュースが2026年9月17日発表されました。

不動産購入に伴う今後の更なる金利上昇について書いてみます。

 

住宅ローン

  • 固定金利 → すでにかなり上昇しており、さらに上がる可能性
  • 変動金利 → これから本格的に上昇の影響が出てくる
  • 借入可能額 → 徐々に縮小方向
  • 住宅購入者 → 「買える価格」が下がる方向

 

不動産投資ローン

  • 金利 → 住宅ローン以上に上昇の影響を受けやすい
  • 融資期間・融資額 → 厳しくなる可能性
  • 自己資金 → 多く求められる傾向
  • 審査 → 物件の収益性と本人属性をより厳しく見る
  • 物件価格 → 「高値のままでは融資が付かない」というケースが増え、価格調整圧力が強まる

特に不動産投資では、今後は「物件価格」より「融資がいくら付くか」が売買価格を決める時代になってくる可能性があります。

1.今回の「2.93%」をどう考えるか

8月17日の10年国債利回りは一時2.930%まで上昇しました。背景には米国金利の上昇に加え、「日銀が早ければ9月17~18日の金融政策決定会合で政策金利を1.25%へ引き上げる可能性がある」との報道があります。

ただし、ここは重要です。

2.93%=住宅ローン金利が2.93%になる、という意味ではありません。

現在の日銀の短期政策金利の誘導目標は約1.0%で、次回会合は9月17~18日です。したがって「9月1.25%」は現時点では決定事項ではなく、市場がかなり織り込み始めている段階です。

大まかな関係は、

長期金利↑
→ 固定住宅ローン↑

日銀政策金利↑
→ 短期プライムレート等↑
→ 変動住宅ローン・事業性融資・投資ローン↑

と考えると分かりやすいです。

 

2.住宅ローンは「固定が先、変動が後」

ここが今回一番重要です。

固定金利はすでにかなり上昇している

2026年8月のフラット35は、融資率9割以下・21~35年の場合、最頻金利が

3.29まで上がっています。

三菱UFJ銀行でも2026年8月の新規借入は、

  • 変動:0.945%
  • 固定10年:3.59%
  • 固定20年:4.36%
  • 全期間固定31~35年:4.26%

となっています。

つまり現在、「変動1%前後、固定3~4%台」という非常に大きな差が生まれています。

そのため多くの住宅購入者は、金利上昇リスクを理解しつつも、当初返済額の低い変動を選びやすい状況が続くと考えられます。

 

3.ただし今度は「変動金利」が上がってくる

住宅金融支援機構が紹介している2026年6月時点の民間予測では、政策金利は現在の約1%から2027年6月末までに約1.6%まで上昇するとの中央値予測が出ています。

同機構も、これに伴って変動型住宅ローン金利の上昇が見込まれるとしています。

もちろん1.6%になると確定しているわけではありません。

ただ、

0%台の政策金利を前提とした時代は終わった

と考えたほうがよいでしょう。

 

4.住宅ローンへの具体的な影響

例えば、

5,000万円・35年・元利均等

で単純計算すると、

金利

月返済額

0.95%

約14.0万円

1.20%

約14.6万円

1.45%

約15.2万円

0.95%から1.45%になるだけでも、

月約1.2万円
年間約14.3万円

負担が増えます。

5,000万円ならまだこの程度ですが、7,000万~1億円のペアローンになれば影響はかなり大きくなります。

しかも住宅価格自体が高い状態で金利が上昇すると、

「価格上昇+金利上昇」

という二重の負担になります。

 

 

5.その結果「借りられる金額」が問題になる

今後の住宅市場では、私は金利そのものより、こちらの影響の方が大きいと思います。

例えば現在、7,000万円なら買えるという世帯が、銀行の審査上、

6,500万円まで
6,000万円まで

となれば、その差額を自己資金で埋める必要があります。

埋められなければ購入できません。

実際、日銀の2026年7月「主要銀行貸出動向アンケート」では、住宅ローンの資金需要判断DIは前回の6から1へ低下しています。また、住宅ローン需要が減ったと答えた金融機関では、「貸出金利の上昇」が減少要因として強く意識されています。

個人向け貸出スタンスもDIが0から-2となり、50金融機関のうち4%が「やや慎重化」、96%は「ほぼ不変」でした。まだ「貸し渋り」と呼ぶ状況ではありませんが、変化の入口には来ています。

 

6.不動産投資ローンへの影響は住宅ローンより大きい

こちらの方が、不動産業界には重要です。

住宅ローンは各銀行がかなり低い優遇金利で競争しています。

一方、不動産投資ローンは、

「銀行の調達コスト+借主リスク+物件リスク+銀行の利益」

という考え方が強いため、金利上昇を転嫁されやすいです。

実際、主要行の短期プライムレートは2024年秋以降段階的に上昇し、2026年2月以降の最頻値は2.125%。長期プライムレートも2026年6月には3.15%まで上昇しています。

したがって、今後日銀がさらに0.25%、0.5%と利上げしていけば、投資ローンにも順次転嫁される可能性が高いと考えます。

 

7.投資ローンは0.5%上がるだけでも結構大きい

例えば、

1億円
30年返済

とします。

金利

月返済

年間返済

2.0%

約37.0万円

約444万円

2.5%

約39.5万円

約474万円

3.0%

約42.2万円

約506万円

3.5%

約44.9万円

約539万円

2%→3%になると、

年間約62万円

返済額が増えます。

1棟だけならまだ吸収できても、複数棟を保有する投資家にはかなり効いてきます。

また新規購入ではもっと重要で、

家賃収入
−運営費
−ローン返済

の残りが小さくなるため、銀行も融資額を抑える方向に動きます。

 

8.これから「高利回り物件」が強くなる理由

これまでの低金利環境では、利回り6%、金利1.5%でも十分成立しました。

例えば単純な金利差だけなら、

6.0-1.5=4.5%

あります。

ところが、

利回り6%、金利3%

になると、

6.0-3.0=3.0%

まで縮小します。

ここから管理費、修繕費、固定資産税、空室損、保険料などを払わなければなりません。

そのため今後は、

「表面利回り6%だから買える」

という判断はかなり危険になります。

 

9.特に厳しくなる物件

私は次のタイプが影響を受けやすいと見ています。

  • 利回り5~6%程度の中古一棟物
  • 築古で融資期間が短い物件
  • RCで価格が大きい割に利回りが低い物件
  • キャッシュフローがほとんど残らない新築アパート
  • フルローン前提の案件
  • 土地値・担保評価が弱い地方物件
  • 修繕費が近々必要な物件

逆に、

利回りが高い
+融資期間が取れる
+担保価値がある
+賃料上昇余地がある

物件は相対的に強くなります。

 

10.「利回り6%」の意味も変わってくる

ここは今後の不動産売買で非常に重要になると思います。

例えばNOIが年間600万円の物件なら、

5%評価
→ 1億2,000万円

5.5%評価
→ 約1億909万円

です。

わずか0.5%の要求利回り上昇で約9%価格が下がる計算になります。

もちろん実際の不動産価格が機械的に9%下がるわけではありません。

むしろ最初に起こるのは、

売主「1億2,000万円で売りたい」

買主「この金利では1億1,000万円でないと合わない」

売買が成立しない

という現象だと思います。

つまり、価格下落より先に、

「取引件数が減る」

可能性があります。

その後、売却を急ぐ売主から価格調整が始まる、という流れです。

 

11.今後1年程度の見通し

現時点では、私はこう見ています。

項目

今後の方向

10年国債利回り

高止まり・上振れリスク

固定住宅ローン

変動住宅ローン

投資ローン

↑↑

融資可能額

融資期間

やや短期化

必要自己資金

銀行審査

厳格化

低利回り物件

売れにくくなる

高利回り物件

相対的に有利

物件価格

二極化

売買件数

減少圧力

住宅金融支援機構自身も、民間予測を基に、政策金利・長期金利とも今後上昇が見込まれると整理しています。特に現在の10年国債2.93%は、その資料で示されていた2026年度平均2.64%、2027年度平均2.75%という予測値をすでに上回っており、足元では上振れリスクを強く意識すべき状況です。

不動産売買の現場で一番重要になること

今後は投資家に対して、「利回り何%です」だけでは弱くなります。

これからは、

金利が3%になってもキャッシュフローが出ます

自己資金2割を入れた場合でもCCRが○%あります

金利が+0.5%、+1.0%になった場合の収支はこちらです

という説明が非常に重要になります。

特に一棟アパートでは、今後は「想定金利3~4%でも成立する物件か」を先に確認してから価格を見るくらいでちょうどいいと思います。

そして、今回の10年金利2.93%より、むしろ9月の日銀会合の方が不動産投資ローンには重要です。固定金利はすでに相当上がっていますが、日銀が本当に1.25%へ利上げすれば、次に短プラ・変動金利系へ波及するからです。

※今後の物件購入については弊社の投資判断に基づいて物件のご紹介を行いますので、お気軽にご相談下さい!!

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