『ネット無料！』物件の比率は今後も増えるのか⁉

コロナ禍のテレワーク・オンライン授業という追い風もあり、ネット無料設備が定番となりました。毎年実施をされている「これをつければ家賃が上がる設備ランキング」でも『インターネット無料』が毎年恒例で1位を獲得しています。

インターネット無料物件の比率は今後どうなっていくのでしょう。

単身物件の築年別賃料とインターネット比率

リクルートSUUMO調べによると2023年7月にSUUMO掲載されているワンルーム・1K・1DKの平均賃料とインターネット無料比率を調べたデータが下記となっている。

• 新築物件     賃料6.4万円：インターネット無料比率93.4％
• 築1～5年     賃料6.3万円：インターネット無料比率84.4％
• 築5～10年   賃料6万円   ：インターネット無料比率52.5％
• 築10～20年 賃料5.3万円：インターネット無料比率23.4％
• 築20～30年 賃料4.5万円：インターネット無料比率30.2％
• 築30年以上  賃料3.6万円：インターネット無料比率29.2％

平均では賃料4.6万円：インターネット無料比率35.3％となります。

新築～築5年の物件はほぼ建築の段階でインターネット無料が導入されています。築5年～インターネット無料比率は約半数となり、築10年～は大幅に下がっています。当時は新築時にネット無料がそれほど重要視されていなかったことが読み取れます。入居者がインターネットを個別に契約する場合は5,000円～6,000円程かかりますので、「家賃＋ネット代」と考えた場合は新築～築5年までの物件でネットが導入されている場合は物件も新しく、ネットも無料とお得感が高いです。築10～20年は家賃帯も下落幅が大きくなり、ネット無料の導入率が一番低いという結果でした。タイミング的に空室対策で差別化や設備のアップデートが必要になっている中でコストを掛けた対策に踏み切れていない物件が多いのでは無いかと感じました。

インターネットの速度についても気にされる入居者が増えました。オンラインゲームや動画視聴等を多用する方にとっては物件に導入されている速度では物足りず、追加料金を支払って速度を上げたり、無料設備は利用せずご自身で導入を進めるケースもあります。入居者ターゲット層を考えて導入する設備の質（速度）も考える必要があります。

日常生活に定着したリモート化

コロナが終息し、以前のような日常が戻りつつあります。大学や職場でもオンラインより対面でという場面が増えてきました。これまでのようにネット無料は重要視されるのか？と感じるかもしれませんが自宅にオンラインがあるという生活は今後更に定着し、浸透していくことになるでしょう。

キャンパスライフではオンライン会社説明会や面接が定番となっており、職場でもリモート会議、打ち合わせは継続して行われています。また、今回のコロナ禍でスモールオフィス化へシフトした企業も多くコスト削減という点においてもオンラインを活用した働き方は進化を続けていくと思います。

まとめ

ステイホーム生活でネットでの買い物やネットで動画配信を視聴する機会が増え、今後も自宅ねネットを使用する頻度は増えていくでしょう。一方で新築物件と築古物件では家賃は倍近く違うというのが現状です。この隙間を埋める為にも築古物件にもネット無料は浸透していくと思います。

また、現在空室でお悩みのオーナー様は入居者ターゲットがネット設備を重要視する学生や職種が多いのであれば周辺のライバル物件のネット無料比率、家賃帯を確認する必要があるかもしれません。ネット無料設備はオーナー側で導入コスト、ランニングコストは必要となりますが入居者が個別にネット契約をするより遥かに安い金額です。ネット無料導入によるコストを家賃へ反映（値上げ）させても結果的に入居者にとってメリットとなる可能性があります。

ネット無料設備にご興味があるオーナー様は是非弊社までご相談下さい。

 

ライター：多田 敏彦　PM事業部部長
　　　　　

「能力を未来進行形でとらえる」
収益不動産経営の鍵はPM（プロパティマネジメント）にあります。適正な募集条件の設定、物件のメンテナンス、テナントリテンション等、PM業務の幅は広く、オーナー様の考え方や物件に合わせた運用をする必要があります。常にオーナー様目線で私たちにしか出来ない収益最大化を目指します。

所持資格
CCIM（認定商業不動産投資顧問）／CPM®（公認不動産経営管理士）／宅地建物取引士／賃貸不動産経営管理士／相続支援コンサルタント／少額短期保険募集人